悪の原体験
放課後、近所の砂場に通って仲良しのチャコちゃんと“ままごと”に凝った時期がある。
小学校三年生・八歳の頃。
保育園児のままごととは違ってそれなりの年齢だから
食器も箸もスプーンもフォークも持ち寄った。
水に混ぜた砂でおにぎり、近くの雑草や花を集めて野菜炒め、
彩りよく盛り付けていっぱしの食卓を整える。
「今日のオカズは何にしようかしら…?」
(四十歳を過ぎてもあいもかわらないガキンチョの頃と似たような日常にあ然としてしまうけれど・・・)
たんびに飽きもせずに味噌汁を作った。
古くなったマグカップに砂と水を入れてスプーンでかき回す。
具は決まって蟻んこ、
できるだけ蟻んこを集めて具沢山の味噌汁を作りたい。
せっせせっせと蟻んこを捕まえてはマグカップの砂水に沈めた。
突然、その時が来た。
ぐるぐるぐるぐる大きなスプーンでマグカップの中をかき回していた、その時に・・・
ありんこ・・
蟻んこはみんな命だったんだと・・・
蟻んこはみんな死んでしまったんだと・・・
砂と水の中に沈められ、かき回されて・・・
吐き気がした。
泥水の味がした。
口の中いっぱい砂水をつめられて死んでいく自分を思った。
なかなか死ねなくて もがき苦しむ自分だ。
マグカップの中を覗くと黒ゴマ大の無数の自分が死んでいた。
昨日までの蟻んこの数を考えて頭がくらくらした。
次の日から砂場で遊ぶのを止めた。
澱んだコップの水の話に戻ろう
(これはスロー実践論Part2の続編のよなものなので)
その前に
原体験とはなんぞや???
※原体験・人の思想形成に大きな影響を及ぼす幼少時の体験(広辞苑)
扁桃核は情動をつくりだすものであるが、前頭葉、とくに前頭眼窩皮質とつながっていることが重要であり、
この皮質が行動を抑制し、感情をより明確なものに洗練するものである。(途中略)
共感性の発生源は、扁桃核つまり側頭葉にある。そしてそれが前頭葉と結びついて生まれると述べたが、
この側頭葉は古い脳であり、乳児でもかなり活発に機能しているものであるが、
前頭葉の発達はもっと後であり、十分な発達ができるには、八歳前後になる必要がある。
(<いじめ・虐待そして犯罪の深層>町沢静夫著に書いてあった・本の主題ととても関係の深い所に)
なら
奥-chanの原体験は自然の成り行きだったみたい・・・
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人間の赤ん坊が生まれます。脳があります。脳の中には脳細胞がたくさんあります。
昔は「赤ん坊の頃の脳細胞は少ない」といわれていました。つまり、お母さんのお乳を吸って育つにつれ、
どんどん細胞が分裂して増えていく、といわれていました。
これは間違いでした。むしろ、成人よりも脳細胞の数は多いんです。そして、刺激を受けることで、
使われる細胞が残っていくんです。たくさん使われる回路が残るんです。
たとえばその回路が二才まで使われなければ、だんだん退化していく。そういうシステムになっています。
(<犬はどこから>畑正憲著に書いてあった・とりあえず興味深いおもしろい本だ)
なら
「知」ることじゃなくて「体験」することが刺激として必要なのかしら・・・
澱んだコップの水の話に戻ろう
Eiji-chanが言う「人の心は一杯の澱んだコップの水のようなもの」だと
そして
コップの中の水が汚れていることを知るには
蟻んこで味噌汁を作ってみないと分らない。
「ワテは澱んだコップの水だんねん」と もがき苦しむ自分に出会う。
で
その汚い水=今までの自分
は
さっさと捨てて
新しい清い水=これからの自分
を
汲まねばならない
だから
「子供達はコップの中の水が汚れていることを知らないで大人になってはいけない」
と
なんとか文章もまとまったみたいで
あぁ、ホンマ「ホッ!」としました。
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