「目が見えない」というメールから




突然、長文のメールを差し上げるご無礼をお許し下さい。


今、目が見えなくなってしまった母を見るのがつらい毎日です。




78歳の母が、脳下垂体腫瘍を取り除くために手術を受けました。


その手術は2度受けました。




術前には説明があり、下垂体とはホルモンを生成している器官であることや、


尿崩症がもっとも恐いこと、しかし、ホルモン剤があるので、服用していけば


普通に生活できることなどを教えてもらいました。


目が見えなくなることにつ いては、一度も説明を受けていませんでした。


(口頭での説明は受けなかったですが、


帰宅してから同意書をよく見ると、「失明」とだけ、その二文字だけの記載はありました)




1度目の手術は、腫瘍を6割くらい取り除いたそうです。


その理由は、堅いタイ プの腫瘍であったため、無理に引っ張ると


視神経や動脈に危険であるということと、高齢なので、


できるだけ安全な方を選んだ、ということです。


腫瘍が下垂体に落ちてこないように、自分の太股の脂肪を少し入れて、手術終了でした。


しかし、術後の経過が悪く、


本人は、「頭が痛い、しんどい」を連発し、目も 見にくいと言います。


翌日もしんどそうで、見ているこちらが苦しくなるほどでした。




翌日の夜の12時頃、担当医が指をかざし、見えるかどうか確認すると、


「見え る」と母は返答したそうです。


しかし、その日の朝7時に再度確認すると、真っ 暗で何も見えなくなっていました。


そして昼には緊急の手術。


これが2度目の手術で、1回目の手術からは、翌々日になります。




2回目の手術の前にMRIを撮り、


腫瘍が視神経に張り付いていて下に落ちてこない状態であったことがわかりました。


そして、これは術後に分かったのですが、


残った腫瘍から浸出液が出て、


それが今までに増して腫瘍を視神経に押しつけていたようです。


圧迫を取り除かなくてはならないことから、


今度は、腫瘍をほとんど取ったそうです。


取れるんだったら、最初から取っていればよかったのにと思ったのですが、


1度目の手術は、高齢を考えて、慎重にやったとのことでした。




2度目の手術が終わると、1度目とは比較にならないくらい元気です。


術後すぐ にMRIを撮ると、腫瘍はほとんど取れていたことが確認できました。


しかし、 目は見えなくなっていました。


9時間か12時間の圧迫なのに、視神経はダメに なったのでしょうか。


今でも、右目は狭い範囲が見えるだけ。左目は見えません。






疑問が2つあります。


これは、病状がもう少し落ち着いてから、医者に尋ねるつもりです。


・視力は回復するのか


・2度目の術後すぐにMRIを撮ったのだが、なぜ、1回目の手術の後には撮らなかったのか。


撮っていれば、腫瘍が視神経に張り付いたままだということが分かったのではないか。






↑上記は頂戴したメールより掲載させて頂きました。


↓下記は再メール等を掲載させて頂います。




前にお出ししたメールと重複しますが、手術などの経過をまとめました。




・1回目の手術は、11月17日午前8時半から準備にかかり、午後2時頃に終了。


 CTを撮影したが、MRIは撮影しなかった。


 腫瘍は、約60%ほどを取り除いた。堅いタイプの腫瘍だったので、視神経や


 動脈への影響を考え、無理はしなかったとの説明。


主治医は、「あまり取り除けなかったんです」と、少し残念そう。


・手術後から18日いっぱい、ずーっと、


「頭痛がする。しんどい。目が見にく い」を連発。


そして、麻酔の覚めが悪い。意識がもうろうとしている。


 夜中の12時に、


目が見えるかどうか主治医が確認すると、「見える」と返答 したらしいが、


後になって家族が本人に聞くと、「そんなことは言っていな い」と返答。


麻酔の影響が残っていて、意識がはっきりしていなかったのかも知れない。


・19日の午前7時には、真っ暗で何も見えなくなった。(麻酔は覚めていた)。


 急いでMRIを撮影すると、


腫瘍が視神経に張り付いたまま、落ちてきていないことが確認できた。


目への圧迫を取り除くため、午後12時から緊急手術。


 その術前には、主治医ではなく執刀医からの「まったく見えないよりは、


わずかでも見えた方が」という説明に、そんなに悪いのかと愕然とする。








*** 12月20現在の、母の容態です。


両目とも、別の病院で白内障の手術を数年前にしております。


その後、脳下垂体腫瘍の手術をするまでは、視野狭窄はなく、視力もよかったです。




今回の脳下垂体腫瘍の手術により、左目は失明しました。


右目は、左上の方の、ごくごく狭い範囲だけが見えるようです。


下の方の視野は、全くありません。


そのために、手元や足下が見えず、生活しずらいです。








*** 12月14日の医師からの説明です。


11月17日の1回目の手術は、問題なく終了した。


あとは出血だけが心配だった


ので、出血が映りやすい、CTだけを撮影した。


そのCTには、出血は映っていなかった。


高齢(78歳)であったためか、全身麻酔の覚めが悪かった。


見えるかと本人に確


認すると、「見える」との返答があったが、


ただ、眼球の動きが悪かったので、心配だった。


18日になると、眼球の動きがほとんど無くなった。


今思えば、残された4割く


らいの腫瘍から血液がジワジワと出てきて、


上に張り付いたままの腫瘍の残りを押し上げ、視神経に圧力をかけていたのだろう。


まず最初に、目を動かす神経がマヒし、


それから物を見る神経が影響を受けたようだ。






(なぜ1回目の手術の後に、CTだけでなく、MRIを撮影しなかったのでしょうか


という、家族からの質問に対して)




1回目の手術は、なんの問題もなく終了したので、気を付けるのは出血だけだと判断し、


MRIは撮影する必要はないと思った。


それと、これは病院の都合だが、


MRI撮影は時間外であったので、撮影出来なかった。




↓下記はセカンドオピニオンで京大受診後のメールを掲載させて頂いています。




結論は、「残された腫瘍部分からの出血により急激な圧力が視神経に加わり、


視神経そのものを損傷しているので、回復の見込みは少ない」とのことでした。


そして、脳下垂体腫瘍はほとんど取り除かれているので、


これ以上の視力の悪化も考えにくいらしいです。


予想していた通り、視神経の損傷ですね。


「大阪の病院を擁護する訳ではないが、腫瘍が難しい形で視神経を巻き込んで


いたので、手術は気を遣ったでしょう」という感想も頂きました。


●●では、78歳という高齢を理由に開頭手術はしませんでしたが、


橋本教授のお話では、鼻腔から腫瘍の下を、開頭で腫瘍の上の視神経の当たりを、


それぞれ取り除く方法があるそうです。




最初から京大附属病院で手術を受けておれば治っていたようにも思えるし、


しかし、同じような、あるいはもっと悪い状態になっていたかも知れません。


同時に二つの人生は経験できないので、これが運というものでしょうか。


今後、電気や鍼灸での治療方法がないのか、探ってみるつもりです。




↓下記は手術前に相談頂いた方に返答した私のメールからの抜粋です。




「カルテは語る」をアップしてから幾つか下垂体腫瘍の問い合わせがあります。




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悲しいことに5人が5人とも他病院で腫瘍摘出術を受けて


苦し紛れにセカンドオピニオンを求めた患者ばかりです。




結果、なんと5人中5人とも手術の必要が無かったというショッキングものでした。




高年齢で不必要である


ホルモンの値は摘出術で低くなるとは限らない


一回目の手術による失敗による再手術宣告




と内容は惨憺たるものです。


手術で尿崩症を起こした


手術で視野を失った


7回目の手術宣告で地獄の毎日


等々です。




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私の見解です。


日常生活に支障をきたすような症状がない限りは手術の必要がないのでは?


というのが私の見解です。


日常生活に支障をきたすような症状というのは


末端肥大症がでているとか視野が欠けているとか。


高齢であればほとんど不必要な手術で逆にデメリットが大きい。


不妊治療等はケースバイケースで


現実に私の下垂体友達はホルモンの薬で排卵調整をして二児の母になっています。


出産の後下垂体腫瘍摘出術を受けましたが、


プロラクチンの値は下がらず、あいかわらず生理不順です。


手術に何の意味があったのか彼女の場合ははなはだ疑問。






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下手な医者にかかると一生台無しです。


もしかしたら手術が必要とも限らなかったりもするのですから。





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