宿題ナンテいらねぇ〜



上の息子が小学校三年生の時のお話。




新しい担任は教務主任でもあるやり手先生。


始業式の日・学活時間・他の学年は教室でホームルーム。


でも


彼のクラスはお近づきのパフォーマンスにキャッチボール。


ラッキー!


息子は大喜び。


だから安心していた。




トコロガ


しばらくすると朝ご飯の食べられない日が始まった。


小さなお茶碗を手に大きな溜め息。


グスグスボソボソ・ちっともご飯が進まない。


朝はいつでも腹すかし息子の彼としては大変きっかいな現象。


「どうしたの??」


「ううん…」


おでこに手をあててみても平熱。


「お腹は??」


「痛くない…」


「ウンチは??」


「でてる…」


それでも朝ご飯がチットモすすまない毎日が過ぎていく。


「なにか困ったことは??」


「別に…」


「誰かにいじめられてる??」


「別に…」


「心配なことがある??」


「別に…」


「うーん…」


「……」




ある日


やりかけのプリントが放り出してあった。


二年生の復習問題。


二年の担任と相性の悪かったから少々カリキュラムが遅れているのか??


よく見るとパソコン算数ゲームでなんなくクリアする単純計算だった。


「おかしい…??」「何かが起こっている…??」




「糸口さえ見つけてしまえば謎はスルスルと解けるものなのだよ、ワトソン君」




一枚のプリントがヒントになった。


家庭訪問が近づいていた。


謎解きは終っていた。


解決の日も近い・・・




茶菓子を出し終えた奥-chanも同席すると話が始まった。


Eiji-chanが先生に言った。


「先生、実はお願いがあるんです。できればしばらく宿題を止めてもらえませんか」


「それはちょっと・・・」


担任の顔が困惑に歪んだ。




推理小説タッチはここまで。


謎解きだよ。


実は息子は三年生が始まってすぐ宿題を忘れていった日があったんだそう。


すると


「今度から宿題忘れたら七時間目やぞ」




担任に言われた。


彼はその言葉にビクビグになってしまった。




宿題を頑張ってみるんだけど、


マニュアルどおりの授業で勉強がよく分らない。


そこが宿題にでる。


だから


宿題は、途中までだったり、分らない所が空白だったり。


すると


朝から先生の言葉が脳裏にチラチラする。


「今度から宿題忘れたら七時間目やぞ」




朝ご飯が食べられなく。


朝ご飯が足りないから授業もよく分らなくなる。


授業はマニュアルどおりに進んでいく。


そこが宿題。


宿題は、途中までだったり、分らない所が空白だったり。


「今度から宿題忘れたら七時間目やぞ」がチラチラ。


うーん、悪循環。






家庭訪問。


茶菓子を出し終えた奥-chanも同席すると話が始まった。


Eiji-chanが先生に言った。


「先生、実はお願いがあるんです。できればしばらく宿題を止めてもらえませんか」


「それはちょっと・・・」


担任の顔が困惑に歪んだ。


Eiji-chanは駆け引きに出た。


今ほど<早寝早起き朝ご飯>と言われてはいなかった。




「宿題するのと、朝ご飯食べるのと、どちらが大事ですか」


宿題と朝ご飯を天秤にかけた。


「朝ご飯も大事です。ですが、宿題はその日の復習にもなっていて・・・」


「成長期の子どもですよ。朝ご飯のほうが大事でしょ」


「勿論朝ご飯は大事です。ですが、宿題もですねぇ・・・」


「どっちもということが出来ない。できるならとっくにやってる。できないから困ってる」


「はぁ・・・」


「できる時がくればするでしょう。それまでは宿題無しにしてやってください」


「でもですね、宿題はですね、家庭学習の習慣が・・・」


「朝ご飯が食べれないんですよ。」


「はぁ・・・」


「だいたい先生が七時間目ナンテ脅かすから朝ご飯が食べられない」


「私は脅かしたつもりは・・・」


「やくざが先にビビらしといて後で優しくしたって、ビビらされた方はビクビクするでしょう」


「はぁ・・・」


「七時間目と言われた息子の傷は深い」


「・・・・・・」


「傷が癒えるまで宿題は無し」




その日から息子は<宿題のない小学校三年生>に決まった。


ナント


息子は翌日から朝ご飯をパクパクと食べた。


「おかわり!!」




結局


教務主任の先生は三年四年と二年間担任だった。


息子は宿題がないから授業で分らないところにダイレクトで躓いてしまう。


仕方ないから担任はそこの所を徹底して教えなくてはならなくなる。


一二学期は苦労したけど、三学期には一気に取り戻した。


宿題なしで復習が無いという遠回りが功を奏した。


四年の三学期になった。


息子は、朝ご飯前の退屈な時間に、なかなか覚えなれない漢字を書くようになった。


というオマケまでついてしまった。


宿題ナンテいらねぇ


子どもは学びたい時が来たら、自分から学ぼうとする力を秘めている。


その時のために、健康でさえあれば、それだけで十分なんだ。


我が子がそんなことを教えてくれた。


子どもたちから学ぶことは沢山ある。


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