医者があてになる話その2




上の息子が2才半の時、庭先で転んだ。


運悪くブロックの角に前歯をぶつけた。


「折れた」と思った。


見る見るうちに口が鮮血に染まっていく。


泣き叫ぶ子供を抱えながら


「大丈夫!!大丈夫!!」




手近にあったタオルで止血する。


口の中を見た。


右中央の前歯が一本グラグラになっている。


その歯茎がパクッと割れて血がダラダラと出てくる。


折れてはいなかった。


近所の小児科開業医に走った。


長く待たされた。


順番が回ってきた時には出血は止まっていた。


処置というほどの治療は無かった。


傷口を消毒して様子を診る事になった。


結局


歯茎は盛り上がってグラグラも納まった。


あぁ、良かった。


めでたしめでたしのはずだった・・・




トコロガトコロガ・・・


保育園の歯科検診の時、無愛想な医者がチラッと見て言った。


「この子、前歯、死んでますよ」


「えっ??」


「アーンして」


息子がアーンと口をあけた。


「この歯」


無愛想な医者が例のグラグラ歯をコンコンと叩いた。


ショックだった。


無事だと思っていただけに尚・・・


「ちゃんと直っているはずなのにあんまりだ」


支離滅裂奥-chanが理不尽だと訴えた。


「ともかく一度歯医者で治療するように」


辛抱強く聞いていた無愛想な歯医者がイライラしながら宣告した。




嘆いている場合では無かった。


生え代わりまで持たせるように治療しておかなければならない。


だが


医者はピンきり。


歯医者で痛ーい目にあっているEiji-chanが言った。


「あてになる歯医者を探さなくては」


奥-chanは考えた。


昔その一・熊五郎のような歯医者にあたった時


熊手の入れた奥歯のブリッジは最悪なものになった。


昔その二・苛々神経質な歯医者にあたった時


前歯の差し歯の出来は納得のいくものになった。




奥-chanの勘が働いた。


あの・・・


無愛想な医者・・・


チラッと見ただけで・・・


もしかしたら・・・


腕は良いかも・・・


イライラしてたし・・・




ピンポ〜ン!予感的中!大当たり!


以来


我が家の歯科医は無愛想です。




何が良かったって??


その一、死んでしまった前歯の治療に行くと、


痛がらないよう配慮された。


三歳半で長時間にも係わらず無事終了した。


その二、保育園の検診でひっかかった虫歯の治療に行くと、


「虫歯は別に宜しい。そんなことより硬いもの食べさせなさい。


この子は奥歯の生え揃うスペースが足りません」


その三、校医検診でひっかかった邪魔な乳歯の抜歯に行くと、


「無理に抜かなくて宜しい。不揃いに生えても大丈夫です。


子供が気にしてベロでクチュクチュ触るうちに自然に揃います」


その四、治療済み前歯の下から健康な永久歯が顔を覗かせた時、


「乳歯と永久歯の間にバイキンが溜まってきている。


この歯(治療済み乳歯)は早いうちに抜いてしまいましょう」


その五、校医検診でひっかかった虫歯の治療に行くと、


「コレくらいの虫歯、歯ブラシで治ります」


etc.etc.・・・


必要な治療は誠実に!!


不必要な治療は無し!!


アドバイスは的確に!!




結果

我が家の歯科医は無愛想です。


ツイデニ


得意の<独断と偏見による歯医者に関する考察>


神経質で本音は苛々してしまうタイプの医者が上手い。


無愛想はオマケのようなもの。「歯のためだ」と多少は許そう。


指先は細く繊細な作業に向いている形状を要す。


断じて熊手は不向き。


もしも治療椅子に座らされて口をアーンと開けさせされた後でも、


熊手が視界をウロウロするようなら「気分が悪い」などとほざいて、


治療をストップする勇気を持とう。


治療は一度??歯は一生!!


以上歯医者に関する考察でした。


(コレッ、脳外科とかにも使えます。但しその場合無愛想は無しね、思いやりの問題だから)






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