第六の法則 先に絵を描く


「政治家が詐欺で逮捕されるらしい」
なんて話題に、
「頭エエからなぁ…」
と大阪弁のオバハンは訳知り顔で納得!
 実際にあった話だ。
「漫才師が泥棒でつかまった」
「頭エエからなぁ…」
と大阪弁のオバハンは訳知り顔で納得とか、
「歌手が大麻所持で逮捕」
「頭エエからなぁ…」
と大阪弁のオバハンは訳知り顔で納得とかいうのは考えにくい。
 アンケートで統計をだすと面白いかもしれない。

 詐欺師には
「頭がいい」
「賢い奴」
という印象が含まれているに違いない。
 連日の新聞紙上の詐欺事件を見てくれ。
 様々な詐欺が多岐にわたって横行してるだろ。
 どの事件も細部にまで気配りが行き届いていて実に巧妙、法律や知識に長けていないかな?!
『お見事お見事』
というものまで存在し、中には事実は小説より奇なりなんて事件まである。
 どれもこれも抜け目がなくて憎ったらしい。
 他人を小馬鹿にしている。
 法律を逆手にとっている。
 世の中舐めてかかってる。

 詐欺は馬鹿ではできない。
 頭が切れなきぁ〜詐欺師はできない。
 記憶力が良くなきぁ〜詐欺師はできない。
 知識が豊富でなきぁ〜詐欺師はできない。
 想像力が豊かでなきぁ〜詐欺師はできない。
 そしてボロクチのでかい夢を見るのも詐欺師なんだな。
 すると頭が切れる分、いろいろ障害が気にかかる。
 心配事に思い当たる。
 知識や想像力が豊かな分、危惧することが沢山ある。

「そんな時詐欺師はどうするか?」
答え、
「先回りして先手を打つ」
 先に絵を描いてひとまずの安心を得ようという心理がそうさせる。 

 詐欺師は獲物や標的が考えもしていない事象や思ってもみないことに関して、わざわざ解説して言い訳をするぞ。
 だいたい獲物や標的は食い尽くされようとしてることには無頓着なんだから、呑気なものだ。 つまり気苦労も心配も無い。
 なのに詐欺師は、
『バレたらどないしょう…』
と大阪弁の詐欺師なんだな。
 詐欺師はビクビクしながら生きてるものなんだ。
 だから詐欺師は先回りして聞かれもしない問いにあらかじめ解答するんだな。

 詐欺師第六の法則 <先に絵を描く>
 詐欺師最大の特徴でもある。
 これが詐欺師の法則のもっとも重要なポイントだ。
 この法則無くして詐欺師を暴くことは不可能であろう。